句を先行した作例-56回 

2014/2/2 俳写倶楽部定例会-56  ※プリント用 access

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句を先行した作例 

 前回(54回)の作例では、神田川クルーズの一員となり移ろい行く護岸風景を、蛙の視線から、写真先行の連作として制作致しました。今回は逆に、まず一句を仕立てその句からイメージされる画像を展開させてみようと考えました。ピカソの「飲み残したアブサン」という油彩画から発句致しました。

● 遠き日の取り残したるカルタかな

 昔、なぜか取りそびれてしまったお気に入りの「あのカード」と設定し、丸 の中にとの字を配した構図としました。この様に設定するとそれこそ撮り溜めていた昔の写真をもう一度見返す機会となり、整理を兼ねて好都合です。是と言った写真が見当たらない場合は、俳画風の絵でも描き写真に撮り苦肉の策と致します。
 この様に角度を変えて俳句写真を試みる事も、たまには良いものです。十日間ほど試行錯誤の楽しい俳写生活が送れました。「俳写」では幻聴や幻視、錯覚、大歓迎です。

ピカソ 「飲み残したアブサン」
上 ピカソ
飲み残した
アブサン

〈アブサン〉
アルコール度数が高く70% 前後のものが多い。低いものでも40% 程度、製品によっては89%を超えるものもある。薄く緑色を帯びており 水を加えると非水溶成分が析出して白濁する。薬草系リキュールの一つ。ニガヨモギ、アニス、ウイキョウなどを中心に複数のハーブ、スパイスが主成。
 【Wikipedia】


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