四年後の秋-112回
2018/10/7 俳写倶楽部定例会-112回 ※プリント用
▲ 「枢機卿」1979年 作/ジャコモ・マンズー 4年後再訪/埼玉県立近代美術館にて
四年後の秋
たぶん、四年後でも五年後でも又百年後でも枢機卿の石像は、瞑想を続けていることでしょう。実に当たり前の感想をここに披露しても「俳写」の勉強会には余り役に立ちませんが、ごく普通の石の塊が生き生きと立ち現れて来る一瞬が俳写制作のポイントになるのでは?‥と。
四年前に拝謁した枢機卿のご尊顔を再度拝しつつ、その数年間に我が身に起こった数々を思い浮かべます。そしてジャコモ・マンズー作の像を前に何時も最後に思う事、「単なる石なんだけどナァ‥‥!」
単なる石の塊に、彫刻家の造形の魂が吹き込まれ、そこから発せられる精神性と形象美を拝借転用して、今回の作品が制作されました。
背景は散歩途中での鰯雲を、これ又借景として配置、借り物だらけの「俳写」ならぬ「拝借景」となりました。
枢機卿は相変わらず沈思黙考、私の姑息な作品づくりについても、非難めいた事はナァ〜ンニモ、おっしやっておりませんでした。
● 四年後の 秋も黙考 枢機卿
尊 晴
ページへ