イメージ転化の実験
2017/4/2 俳写倶楽部定例会-94回 ※プリント用
イメージ転化の実験
午後の春陽を浴びて、西の方角に刻々とたなびき落下する飛行雲。日付けは五年前の四月、ちょうど今頃です。十三日といえば、桜の喧噪は一段落した頃でしょうか、飛行機雲と晴れ渡った空のカットが一枚、凡庸な空の写真です。
問題はこの写真に句を配置することによって凡庸写真が、特に飛行機雲の先端が、桜の花びらに変化するか否かがポイントでした。
酔漢の夢に散り入る桜花
尊晴
酔って眠りこけてしまった花見客のシルエット、後方には桜が満開という似合い過ぎの写真はあるにはあるのですが…あえてそれは使用しませんでした。
酔漢のうつつから、広大な夢の空間までをゆっくりと落下してゆく「散る花びら」を想像していただけたかどうか?
俳写ならではの表現として、無関係に見える俳句と写真が通底しているか否か?
この思い込み作品への実験結果については、五年後の今も解らずじまいです。
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