日記がわりの俳句写真 【其の八】ウラミ富士
2017/3/5 俳写倶楽部定例会-93回 ※プリント用
日記がわりの俳句写真 【其の八】ウラミ富士
四、五年前のちょうど今頃はどのような俳写を制作していたのだろうか、と興味があり昔のデータを探してみました。
そろそろ体力的にも自分が思うほど無理もきかず、慌てて道で転んだり、自転車から転げ落ちたりしていた事をこの作品を見て思い出しました。足腰さすりながら、まだ新緑には早い雑木林の写真を北斎風に変形加工しつつ、当たりどころのない気持ちを紛らわしていたようです。
● 二度ばかり転げ見上げしウラミ富士 尊晴
ウラミ富士とは「神奈川沖浪裏」富士にかけた言葉、富士山もこの逆恨みには少々迷惑した事でしょう。ひっくり返った落款も落車した本人そのものをあらわしています。その本人、現在は杖を頼りに歩く事となり将来を予見していたような作品です。
こうしてみると、「日記がわりの俳句写真・ツボ八」として、その時の心情まで懐かしく回想できます。これも持続する俳写の効用の一つでしょうか。
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神奈川沖浪裏 富嶽三十六景/葛飾北斎画 |