13日の金曜日
2016/6/5 俳写倶楽部定例会-84回 ※プリント用
● 夢に見し地獄の門に「カラバッチョ」十三日の金曜うれし 尊晴
縁起でもない十三日の金曜日がなぜ私にとって嬉しかったのか?事前の説明もなくこの短歌らしき言葉の羅列に付き合わされると、面食らうこと間違いなし。そこで自作を解説いたします。
二年程前、脳出血で倒れ入院、半身不自由でのリハビリ生活となりました。再起が可能なら、電車乗り継ぎしながらでも上野西洋美術館、「地獄門」の下まで辿り着く事が目標でした。一年九ヶ月後の悲願達成の日、それがたまたま十三日金曜日で、修学旅行の中学生達と地獄門前で記念写真となりました。
この写真では逆光のアダム像の後方に、オドロオドロの地獄門があります。無頼の天才画家「カラヴァッジョ展」がこの右奥の西洋美術館で開催されています。まさかこの人気の展覧会まで鑑賞出来るとは思ってもいませんでしたが、配偶者の八面六臂の活躍により、車椅子にて鑑賞する事が出来ました。
不吉な曜日にオドロ地獄門、さらに人をあやめて追われる狼藉の画家などに囲まれて、(俳句写真の措辞は二の次となりましたが)とても幸せな一日となりました。
|
♦ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610年) |
||