金魚様   《俳写・エッセイ》

2023/8/6  俳写倶楽部定例会-170回  ※プリント用  access 

 

金魚様


金魚様 

 渋い顔して金魚達が、私に何か言いたげです。
 やれ「食事の時間が遅い!」
 やれ「水替えを早めろ!」等々、なかなか人使いの荒い連中です。
 あの金魚顔で水槽内から睨みつけられますと、気の弱い小生、オタオタと命令に従うばかりです。

● 金魚の 額寄せ合う 談議かな    尊晴

 水槽が三台、それぞれに彼等の寄り合いがあり、手間取る私の仕事ぶりを、内側から観察しております。
 昔と違い、私の水替え作業は、かなりの重労働、そんな年齢になってまいりました。
 若干の手抜きをしようかと思いますが、この金魚達の顔をみますと、そう無下にも出来ません。
 水槽内の一匹と目が合いました。親しげに私の方に近づいてまいります。
 「さて、今度は何をご所望でございましょうか?」
 金魚様。



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