あの位置に   152回

2022/2/13 俳写倶楽部定例会-152回  ※プリント用 access

 

あの位置に   152回


あの位置に   

 講習会用の「今月の俳写」制作が、常の如く行き詰まりました。この様な時は散歩が一番とばかり、リハビリを兼ねて杖ひきながらヨロヨロと出かけます。
 好天の空に浮ぶ雲も、私の行く方向に付き添ってくれるそうです。
 散歩を始めて早々と、杖をひく私よりさらにゆっくりと移動する雲達を、道路脇のベンチで待つ事になりました。
           ● あの位置に 来るまで待とう 今日の雲 尊晴

 あの位置とは、現在の私にとって重要な、今まさに見上げている太陽と、ゆっくりと西に流されて行く雲の位置関係なのです。
 イメージとしては、流れる雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせる…。その太陽光があの柚子の実を鮮やかに照らし出し、その劇的な光景を俳写する…。という設定なのですが…。
 数分後、カメラを構え待つ私の前でイメージは粉々に砕け散り、又もや凡庸な句と写真の構成で終ってしまいました。
 「今日の雲は今日の雲さ」。気を取り直して何時の日にか、瑞雲浮ぶ実景の生写真を、ものにしたいと考えています。


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