離 れ 雲   151回

2022/1/9 俳写倶楽部定例会-151回  ※プリント用 access

 

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離 れ 雲 

          ● 離れ雲 句も離れたる 俳写かな   尊晴
  
  武蔵野の早春の空には、一片の雲もありません。余りにも広々とした、中心の無い写真が一枚。
 そこで、空に離れ離れになった雲を二片、一筆で描きます。俳句も、雲に掛けた句で遊び、行間の離れた句並びでお茶を濁します。ついでに一寸歩き疲れたジイサンも(自分の事でしょうか)描き足します。
 これで俳写プラス俳画風の作品として、新味を意識した作品となりました。
 さて、新年を迎えて今年一年、俳写の世界でどの様に遊ぼうか?とフト考えます。又、写真と俳句と俳画が互いに作用しながら、新しく面白い方向に登り詰めて行けるのか?
 それとも散り散りバラバラ、はぐれ雲になって、霞の彼方に消え去ってしまうのか?
 これからの俳写の行く末が心配でもあり、その変化が楽しみでもあります。
 今年の夏あたりには、あの小さく浮ぶ離れ雲が、大入道雲に変貌してこの大空を、カメラとペンを小脇に、俳写で駆け巡っている姿を想像したいと思います。

 


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