虚空の広さ 135回
2020/9/6 俳写倶楽部定例会-135回 ※プリント用
虚空の広さ
九月に入って、気のせいか空が高くなったような気がします。そういえば散歩道の蝉の声もこの二三日聞いておりません。
九月は台風の季節、今日の雲の流れ方も若干早めです。
大型台風10号が、俳写倶楽部の定例会である今週の日曜日に来襲とTVが報じています。当日、この俳写を提出するつもりです。果たして、無事発表出来るかどうか‥‥。
● 蝉の声 絶えて虚空の広さかな
尊 晴
秋めいた空を画面の中央に広く取り、「句」は左の木陰の空間に配置しました。
「句」を空の中央に堂々と置きますと、鑑賞者は最初に眼に入る「俳句」から読み始め、句の内容を先取り理解し、肝心の空の広さを見落としてしまうのではないかと、いらぬ心配‥‥。
画面上のバランスを欠いても、静かで広々とした初秋の空の淋しさを表現したく、幾通りもの配置を試みた結果がこれです。
試行錯誤で時間をかけ過ぎたのでしょうか、とうとう木の下陰あたりで、日が暮れてしまいました。
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