忘れ得ぬ女(ひと)‥‥117回
2019/3/3 俳写倶楽部定例会-117回 ※プリント用
ROMANTIC RUSSIA展/カタログ表紙より イワン・クラムスコイ作 「忘れえぬ女(ひと)」
忘れ得ぬ女(ひと)
借りたカタログの表紙に、以前美術館で見て強く惹かれた「忘れ得ぬ女(ひと)」が載っていました。俳写の写真は、これだと即決しました。
始めにカタログの表紙を撮り、その後ゆっくり俳句をつくり組み合わせるつもりでしたが、フレームの中の挑戦するような視線に、一筋うっすらと浮かんだ涙が‥‥今回初めてそれに気が付き急いで句をまとめました。
この絵画が制作された当時、高慢でふしだらな女性を描いたと多くの批判を浴びたそうです。作者イワン・クラムスコイ自身がこのモデルについていっさい語る事が無かったため、技量もさることながら、さらに神秘性を増したようです。
おそらく車上の女性は一べつの後、深い悲しみの視線を、凍てついた轍(わだち)の上に落としたに違いありません。そして二度とこの場所に来る事は無かったと思います。
● 眼差(まなざ)しを 凍てし轍(わだち)に 移しけり 尊晴
「忘れ得ぬ女(ひと)」はクラムスコイによる想像上の女性では‥‥?と私は推測してみました。
● 「見知らぬ女」又は「忘れえぬ女」 |
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