鳥 影
2018/7/1 俳写倶楽部定例会-109回 ※プリント用
鳥 影
「鳥影」と一瞬見えたのは、目の前の田んぼを低く滑降してきた一羽のカラスでした。つい先刻までうるさい程鳴いていた水田の蛙達は、ピタリと鳴き止んでいます。
● 鳥影は 蛙鳴き止む 低さかな 尊晴
それほど、鳥影の蛙への影響、沈黙へのドミノ倒しは見事でした。二度目の低空飛行をカメラ片手に待っていましたが無駄だったようで、田んぼを一枚撮って朝の散歩を終了としました。
しかし、明日又同様の不気味な鳥影に出合え写真に撮れる訳でもありませんので、不足の鳥の影はスピード感のある筆絵として、徘写を完成させました。
この鳥影、最近は遠出のかなわぬ作者に替わって、池袋のビル街や集合俳写作品の上やら、版画作品の上やらに影をおとしながら、やたらと出没しております。
● 鳥影を 追ってあてなし 池袋 尊晴 俳句写真の概念を飛び超えようと、高く低く‥‥飛びます。 鳥影は本体のカラスから遊離したのかも知れません。
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