画像と言葉-59回
2014/5/11 俳写倶楽部定例会-59 ※プリント用
画像と言葉
普段は余り俳句の題材とはならないシミや汚れ等を、あえて「俳写」の主題にして実験してみました。
たまたま筆が転がって出来た汚れを、カメラで接写しました。今回は偶然に出来た汚れとシミが主役となります。この画像をしばらく眺めながら、言葉を待ちます。
闘牛場らしき風景が、とりとめの無い画面から立ち上がって来ました。そこで一句。
● 今日の牛マタドールの命狙っている
「今日の牛は違う、常々の不条理を打ち壊わそうとしている狂気を感じる」と、闘牛場の壁際にトレアドール達が固まって相談している様に見えます。
その様に見えたのは、ティシュの汚れが誘発した私のイメージです。そう言われればそう見える人も‥‥。
これは、言葉の綾で対象をその様に見ようとする心が働いた訳です。
平凡な写真の説明を避けようとするならば、写真から誘発された自分に内在する、もう一つの言葉を探し出し、別の意味世界を表現すると言う方法もありそうです。
【マタドール】スペインの闘牛で、牛に止( とど) めを刺す主役の闘牛士。
【トレアドール】闘牛士
【ピカドール】馬に乗り、槍で牛を刺す役目の闘牛士。